減少していると思っていた公衆電話が新設されていた | ユニバーサルサービス料




夜の散歩の最中に訪れた近所の公園(鎌倉市)に、なんと、公衆電話が新設されていた。この公園に来たのはだいたい半年ぶりくらいだと思うが、前来たときはには無かったはず。公衆電話が撤去された話は耳にするが、携帯電話が普及した昨今、公衆電話が新しく設置されることなんてあるのだろうか?

環境

公園の周りは静かな鎌倉市の住宅街で、比較的高齢者が多い。

仮説

以下の2つを満たすのであれば、新しく公衆電話を設置する意義は大いにありそうである。

・高齢者が多い地域のため、携帯電話を持っていない、あるいは、素早くかけられない人が多い低域である。
・犯罪のリスクが高い、あるいは、事故や天災などによって緊急連絡の必要性が高い必要な地域である。

実際のところ

調べてみたところ、日本には電気通信事業法施行規則が存在し、その第十四条のニによれば、人口集中度に応じて、市街地などでは、約500メートル四方に1台。それ以外の場所で1キロメートル四方に1台設置することが義務付けられている。つまり、このような制度があるため、公衆電話の数は減ることはあっても、最低限の台数は、全国に満遍なく設置されていなければならない。

 第一種公衆電話機(社会生活上の安全及び戸外での最低限の通信手段を確保する観点から市街地(最近の国勢調査の結果による人口集中地区をいう。)においてはおおむね五百メートル四方に一台、それ以外の地域(世帯又は事業所が存在する地域に限る。)においてはおおむね一キロメートル四方に一台の基準により設置される公衆電話機をいう。以下同じ。)を設置して提供する音声伝送役務であつて、次のイからハまでに該当するもの(前号に掲げるもの及び手動により通信の交換を行うものを除く。)

実際のデータでは、公衆電話の数は、
2000年3月末時点 : 735812台
2005年3月末時点 : 442302台
2010年3月末時点 : 283161台
2016年3月末時点 : 171179台
と急速に減少しつつある。

しかし一方で、上記のような規則があるため、人口に対する台数が保てていなければ、新たに作らなければならないことを意味する。

総務省は、「非常時に備えて公衆電話を整備してほしい(概要)」という資料を公開している。この資料は、「2011年3月11日の東日本大震災発生時に、携帯電話で家族の安否を確認しようと家に電話をしたが繋がらず、やっとの思いで公衆電話を見つけることができた。震災時などの非常時に備え、公衆電話を人目につきやすい場所に設置してほしい。」という行政相談を元に作られた資料だ。

この資料では、行政相談のあった地域の公衆電話の設置状況を調べた資料なのだが、129メッシュ(エリア)中、107メッシュで公衆電話は設置されていたが、14のメッシュでは設置がなかった旨。あるいは例えば、銭湯や病院などの中に公衆電話があるために、24時間電話をかけられる状況にないなどの現状がレポートされている。

また、公衆電話の設置場所と台数のデータでは、学校施設、老人ホームなどの社会福祉施設、人が多く出入りするスーパーなどの商業施設や、急病人の発生が予想される、銭湯や温泉、プールなどのスポーツ施設に多く設置されていることが分かる。

なるほど、冒頭の鎌倉市の公園は、海から約2キロ離れており、南海トラフ巨大地震が発生した場合には津波の影響が懸念されるエリアだ。公園は少し高い場所にあるため、鎌倉市が作成する津波ハザードマップでは、浸水エリアからは少しだけ逃れた場所にある。もっとも、津波の影響があるエリアの中に公衆電話を設置しては意味がないから、公園の位置は、防災の観点から公衆電話を設置するには丁度よい場所だったのかもしれない。確かに、電話の上部に、デカデカと緊急通報の看板が掲げられている。

携帯電話(スマートフォン)の利用明細書の中に、ユニバーサルサービス料(2円)というものが記載されているのを見たことがある人も多いと思うが、このユニバーサルサービス料とは、上記のような適格電気通信事業者が追っている義務(ユニバーサルサービス)に対する国の、電気通信事業者に対する交付金だったんですね。

是非、あなたの周りにも新設された公衆電話がないか、確認してもらいたい。

公衆電話の設置場所は以下から検索できる。(NTT東日本の場合)


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