「カメラのキタムラ」が多くの店舗が閉店するらしい。けど、すごいなぁ。




「カメラのキタムラの建物が見えてきたら、その隅の道を通って下さい。」

人に道を教えるときに答えていた鉄板の伝え方に利用していた企業名「カメラのキタムラ」が、大幅に閉店に追い込まれているという記事を読んで「えっ」と思った。記事によると、2017年1月には少なくとも19店舗の閉店が決定しており、その理由が、本業のカメラの売り上げが伸び悩む中、スマートフォン事業に力を入れたのだが、スマートフォンの売り上げが想定よりも伸びずに、大幅な減収になってしまったとのこと。

株式会社キタムラ 2017年3月期第2四半期累計期間 決算説明会

カメラのキタムラア赤穂店のブログには、
「カメラのキタムラ赤穂店の営業も1月16日で終わります。閉鎖が決まってからあっという間でした。みなさんありがとう。」
という言葉が綴られ、その短い言葉の行間からは、言葉にはならない言葉が詰まっているような感じが受け取られます。

決算のPDF資料によると、本業のデジカメ本体の売り上げは、前年の8割程度と大幅に減少しており、これは純粋に、デジカメ機能がスマートフォンに奪われている結果であり、企業努力では挽回が難しい範囲だと思われます。

また、その販売をうばわれたスマートフォンに力を入れたカメラのキタムラですが、総務省のタスクフォースの影響で販売数が減少したと結論しています。これは、カメラのキタムラで3キャリアであるドコモ、au、ソフトバンクの販売に力を入れていたところ、総務省から、「携帯電話の料金体系を透明化しなさい」「データ量の少ないライトユーザー向けに割安料金体系を作りなさい」「MVNOの促進を考えなさい」という方向性が打ち出され3キャリアの端末売り上げが伸び悩んだ煽りを受けたといえると思います。これは、タイミングが悪かった。たぶん、デジカメやスマートフォンなどのライフサイクルが長い(2~3年くらい?)商品を年単位で数字を見せるのは厳しいと思われます。

カメラのキタムラは今後の施策として、スマートフォンやデジカメのハード部門ではなく「写真の最大イベント、七五三・年賀状プリント」のソフト部門(サービス部門)で挽回すると資料を締めくくっている。スピード仕上げの体制を強化するとのことだが、

なんだこりゃ。

資料的にはあまりにも、夢も希望もないようなしりすぼみ感ですが、結局これからの時代、モノを売るよりも、「年賀状の写真を綺麗にします」とか「七五三の可愛い子供の写真残しませんか?」とモノガタリを訴求する方が、一般的には売れたりするのですよ。きっと。

さすがは全国に850店舗あるカメラのキタムラ。19店舗の閉店じゃ、へこたれませんから。


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