携帯電話、スマートフォン3キャリア、2017年夏を目処にIPv6対応へ




携帯電話、スマートフォンの3大キャリア「docomo」「au」「softbank」が2017年夏ごろを目処に、通信時に必要なIPアドレスを従来のIPv4からIPv6に移行する計画である旨を、IPv6のカンファレンス「IPv6 Summit in TOKYO 2016」で発表した。

従来のIPv4におけるアドレス空間は「2の32乗」の約43億個であるが、全世界の人が複数の端末を持つだけでなく、ネットワーク通信に必要な人以外の機材などもIPアドレスを利用して通信しているため、IPv4ではIPアドレスが枯渇してしまう問題が昔から言及されていた。

IPv6のアドレス空間は「2の128乗」の約340澗(340兆×1兆×1兆)個であるため、IPv6が導入されればIPアドレスの枯渇は、地球が滅亡する最後の瞬間まで問題にならなくなる位、巨大な数字である。

IPv4からIPv6に移行しても、エンドユーザーは特に意識する必要なくスマートフォンを引き続き使うことができる。一方で、IPネットワークを取り扱っている機器、あるいは、WEBサービスにおいても、通信の正当性の確認のためにIPアドレスを評価しているサービスは、IPアドレスのフォーマット自体も変わるため、事前にエラーが発生しないか確認しておいた方が良いだろう。

IPv6になることで、エンドユーザーが不利益をこうむる事になる可能性があるのは、プライバシーの問題だろう。IPv4時代はアドレスの枯渇問題に対応するために、多くのサービスで、その都度、動的にIPアドレスが割り当てられていた。しかしIPv6になると、枯渇問題を考慮しなくてよいため、もし、端末毎にIPv6が長時間固定化されることになれば、IPアドレス自体は外部から簡単に確認できるデータであるため、

「IPv6のアドレス=その端末=怪しいサイトを見ているあなた」

という等式が成立しかねない。最もそのようなことは事態は想定されているため「RFC 3041(IPv6ステートレスアドレス自動設定のプライバシー拡張)」が規定されているが、実際は運用され、それが十分に回るまで誰も分からない。

「想定外」という言葉は、そのために用意されている。


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