SNSのmixiは衰退するけど、企業としてのmixiは衰退しない
マクロミルが新成人を対象に行った「利用しているSNS」に関するアンケートの結果が発表されています。
想定通りのmixiの立ち位置
結果は以下のとおり
順位 | サービス名 | 利用率 |
---|---|---|
1位 | LINE | 82% |
2位 | 67% | |
3位 | 49% | |
4位 | mixi | 18% |
※複数回答あり
やはりという結果で、100人中18人がmixiを利用しているという結果になりました。mixiがかつてのSNSの雄であったことを考えると嘆くべき数字に見えますが、この結果はまだましな数字です。
昨年Z会が行った、高校生を対象にした「利用しているSNS」というアンケートでは、
順位 | サービス名 | 利用率 |
---|---|---|
1位 | LINE | 67.2% |
1位 | 23.2% | |
1位 | 13.9% | |
1位 | google+ | 9.0% |
1位 | mixi | 3.9% |
という結果で、mixiの利用者は100人中たった4人しかいませんでした。
この2つの結果からSNSの利用状況を強引に導くと、
・年齢が若いほどmixiは利用されない。
・若い子が学校の内外での情報交換をLINEやtwitterで行っている様子が容易に目に浮かぶ。mixiはまったく想像できない。
・Facebookは10代は利用されてない。これはザッカバークも言っていた。
・だけど、Facebookは2,30代あたりから名刺交換代わりとして利用される機会はある。mixiが名刺代わりとして利用される姿はまったく想像できない。
という感じで若い層が今も、この先もmixiを使う姿が想像できません。mixiはLINEやtwitter、facebookに行き先のない人たちのユートピアとしてのみ活用されるでしょう。
いいじゃんmixi衰退して
昨年は「街コン」イベントを運営する株式会社コンフィアンザや、出会い系サイトYYCを買収のニュースが流れるなど、mixiが新たな活路を模索する様子があからさまに目に見える年でした。
昨年10月には、それまでクローズドな情報だったmixiコミュニティの一部をインターネット検索の対象にするなどのPV回復への施策や、カスタマーサポートへの配属という名の大規模なリストラ疑惑というマイナスなニュースも流れました。
でもこれだけやって駄目ならSNSとしてのmixiはもう衰退していいじゃん。
とさえ思います。
ソーシャルメディアの一生というタイトルで投下された「ぼくのかんがえたさいきょうのみくしぃすいたいろん」では、SNSのライフサイクルが、
「黎明期~成長期~成熟期~衰退期~滅亡期」
という遷移で視覚化されて表現されています。このライフサイクルに当てはめるとmixiは衰退期から滅亡期の間を遷移している時期と言えるでしょう。
・「人がいないから人がいなくなる」という負のスパイラル。
・どうやって最期を看取るかと言う段階。
はてな匿名ダイアリーの「mixiのオワコン化はSNSの運命。戦略ミスとか関係ねぇ」では、mixiのオワコン化は時代の流れ・サービスとして誕生したものの定めであると述べています。
SNS上に構築されるソーシャルグラフは、現実世界をそのままネット上に落とし込んだ人間関係と、趣味などで繋がったネット上だけでの人間関係が混ざり合います。
現実世界での人間関係は、その人の住む場所・学校・職場が変わるごとに時間とともに変化しますが、ネットの世界での人間関係は、時間の経過とともに積み重なっていきます。
この現実世界の人間関係とネット上の人間関係を整理する時期がソーシャルメディアのライフサイクルなのかもしれません。
長嶋・王がいつまでも現役でいられなかったように、イチローの引退が目に見えて想像できるようになったように、mixiもまたいつまでも現役ではいられないのです。
ソーシャルメディアにとってはそこにいる会員達こそが細胞です。その細胞が年をとり、新しい細胞が入ってこなければ、その先に待っているものは人間もサービスも商品も「死」のみです。
SNSとしてのmixiは衰退したとしても
人やサービス、生まれたものはいずれ死にます。しかし、それが生み出した文化やノウハウは次の世代に受け継がれます。
mixiがソーシャルメディアで培ったノウハウは次のサービスに生かされるでしょう。
mixiの新人研修トレーニングとして利用したという、JavaScriptやiOS、Androidの学習コースをgithubで公開していてますが、このような企業文化が次のサービスを生むのだと思います。
ほら、mixiはさっそくモンスターストライクというアプリをヒットさせはじめましたよ。
SNSとしてのmixiは衰退したとしても、企業としてのmixiが衰退するわけではありません。
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