映画「風の谷のナウシカ」のナウシカにはモデルが存在する
先日、金曜ロードショーで放送された「風の谷のナウシカ」は、2014年に30周年を迎えるそうです。
四半世紀以上も経過する作品が今でも受け入れられる理由は、風の谷のナウシカが描かれる世界観が、自然破壊などの考えさせられる要素が多いことと、ナウシカという少女に魅力があること、と言えるでしょう。
風の谷のナウシカとは
風の谷のナウシカは、近代化された文明を崩壊させた「火の7日間」という最終戦争から1000年後の世界観を描く、宮崎駿監督によるSFアニメ映画。
現代文化の進化と自然との共存の行く着く先がどのような未来を迎えるのかが、アニメの中で暗示されている。
文明崩壊後、近代化された文明の代償に産まれた腐海。この腐海と呼ばれる毒を吐き続ける土地が世界中を覆い尽くさんとばかりに広がり、人間の住む環境の悪化を描く様子は、テレビニュースで放送している、中国の環境問題などの現実世界の問題とリンクする。
アニメ情報誌であるアニメージュに1982年から掲載された原作の一部を切り取って映画化されたのが、劇場版「風の谷のナウシカ」である。
映画公開後もナウシカの連載は続き、物語は1994年に完結する。原作中ではナウシカが巨神兵の母親になっているなど、初めて見る人には驚きは多いだろう。
ナウシカのモデル
ナウシカにはモデルが存在する。
そのことは、原作第1巻の裏表紙に宮崎駿監督の言葉として記載されています。
以下、要約。
宮崎監督は、バーナード・エブスリンの「ギリシア神話小事典」という文庫本でナウシカの存在を知ってからすっかり彼女に魅了されてしまった。映画「風の谷のナウシカ」で誕生したナウシカは、エブスリンの描く文庫本の3貢半の中に登場するナウシカから、宮崎駿監督のイメージによって作り上げられた主人公なのである。
俊足で空想的な美しい少女。求婚者や世俗的な幸福よりも、堅琴と歌を愛し、自然とたわむれることを喜ぶ優れた感受性の持ち主。
宮崎監督は、ギリシア神話の作品で描かれるナウシカのイメージから日本の今昔物語に描かれる、ある少女を連想するようになる。
虫を愛ずる姫君と呼ばれたその少女は貴族であるにもかかわらず、年頃になっても野原をとび歩き、芋虫が蝶に変身する姿に感動するような少女であった。
いつしか宮崎監督の頭の中では、ギリシア神話の作品で描かれるナウシカのイメージと、日本の今昔物語に描かれる姫君の姿が同一人物になっていったという。
原作の第一巻の裏表紙では、宮崎監督のこのような言葉で終わっています。
今はもう、なんとかしてこの少女に、解放と平和な日々へたどりついてもらいたいと願っている。
そこには、歴史を感じる言葉が並んでいました。
・宮崎監督は才能ナシとマンガを断念しかかっていた。
・アニメージュでナウシカ連載の機会を得た。
・連載されたナウシカの一部を映画化できた。
・映画ナウシカの興行的成功が、その後のジブリの成長に繋がった。
ナウシカのストーリーが秀逸だったのを見出した映画プロデューサーの鈴木敏夫氏が、宮崎監督とともに映画化に成功し、その後のアニメの制作に繋がっていったという、昔見たドキュメンタリーを思い出しました。
ナウシカが原点となって、そこから多くの作品が誕生していったのです。
あ、あと、久石譲のナウシカの曲が一番好きです。
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