脱法ドラッグの新名称「危険ドラッグ」は、いまいち浸透する気がしない。




世の中の事件性を鑑み、「脱法ドラッグ」という呼称は「危険ドラッグ」という呼び名に変更された。これは、ドラッグの危険性を世の中に認知させるための警察庁と厚生労働省の取り組みで、自身のホームページで新しい名称の意見を募集していた。その結果として決まったのが「危険ドラッグ」という訳だ。このネーミングになった理由は、脱法ドラッグが危険であることの認識を強めたいかららしい。

そのまんまじゃねぇか。

おまえは「振り込め詐欺」の新名称を覚えているか?

警視庁主導で新名称を募集といえば、昨年の「振り込め詐欺」が懐かしい。このときはtwitterも利用して広く世の中から新名称が募集された。郵送で8484件、Twitterで5620件の応募があったらしいが、twitterでは有効ツイートは3分の1程度で、あとは無効ツイートだったらしい。さすがツイッターといったところだが、その結果として誕生した新名称が「母さん助けて詐欺」だった。

これは、息子を名乗った成りすましの詐欺電話の手口をそのまま名称にしたものだが、データによると本当に助けが必要なのは、18~31歳の男性の息子世代らしい。

サイバー犯罪の被害に遭いやすいのは18~31歳の男性

しかし残念なことに、名前が変更されてから「母さん助けて詐欺」という名称をテレビなどのメディアで聞いたことはまだ一度もないし、ニュースアナウンサーが「母さん助けて詐欺」という名前を口にしているのを想像するだけで、違和感を感じてしまう。

新名称のダウングレード感がいなめない

「母さん助けて詐欺」にしても、今回の「危険ドラッグ」にしても、言葉の響きが持つ鋭さがマイルドになってしまっている感がある。この名称変更がもし逆だったとしたらしっくりくる。

▼これはしっくりくる
母さん助けて詐欺 => 振り込め詐欺
危険ドラッグ => 脱法ドラッグ

▼これはダウングレード感がいなめない
振り込め詐欺 => 母さん助けて詐欺
脱法ドラッグ => 危険ドラッグ

警視庁は名称変更により、危険度や犯罪内容をより具体的に示したかったのかもしれないが、言葉の持つ鋭さが無くなってしまったたために、言葉として伝播しづらい単語になってしまったのではないか?これでは全く世の中に浸透する気配は生まれないだろう。

近所に貼っていた柳沢慎吾の「振り込め詐欺にあばよ!!」のポスターは見事にハマッていた。名称変更しない方がよかったのに。柳沢慎吾…あばよ…、あばよドラッグ。


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