twitterの#AmazonCartとかいう中途半端なEC連携について
これまでもtwitterは、ECサービスとの連携や銀行と提携することで、ツイートをトリガーとした物販や銀行送金の仕組みの構築という方向性の話はありましたが、twitterのセキュリティの弱さを考えると、どう考えても現実的ではありませんでした。
ツイートするだけで物が買えて、銀行口座に振り込みできるのなら、アカウントが乗っ取られたらやりたい放題されてしまうという脆弱性は、実際にアカウントの乗っ取りによる第三者のつぶやきが頻繁に起きているため、目に見えています。
しかし、TwitterとAmazonの提携による「#AmazonCart」という仕組みは、twitterにとってはちょうどよい落としどころのような気がします。近年、プロモツイートと呼ばれる広告がタイムラインに流れるようになり、twitter社による収益化が始まったようですが、どうやら思ったような利益に繋がっておらず別のマネタイズを模索していたようです。
この#AmazonCartという機能は、
0.前提として、TwitterアカウントとAmazonCartと連携させておく。
1.たまたまタイムラインに流れてきたAmazon商品のツイートを発見する。
2.その商品を欲しいと思う。
3.#AmazonCartというハッシュタグを追加してリツイートする。
4.そのユーザーのamazonの購入カートにその商品が追加される。
5.追加した旨や在庫なし情報などを、@MyAmazonというアカウントからリプライを受けとる。
6.実際の購入は、Amazon側で決済を完了する。
という流れのようです。それぞれのポイントを考えてみると、
1.タイムラインに埋もれる可能性
twitterを長年続けている人であればあるほど、フォロワーが多い傾向にあるようです。そのため、タイムラインの流れの速さのためにAmazon商品ツイートが埋もれてしまう可能性があります。
またtwitterのタイムラインは既に、アフィリエイターが流す商品情報に溢れているため、商品のリンク付きツイートはあまりユーザー受けするものではありません。
2.潜在ユーザーの発掘はある
自分が能動的に検索するのではなく、偶然目に飛び込んでくる情報だからこそ、amazonとtwitterは商品購入の潜在ユーザーを発見できる可能性はあります。
また、憧れのフォロワーや有名人が一押しする商品だから、買ってみようという購買意欲促進の効果は期待できそうです。
3.リツイートするという方式
リツイートで完結するという仕組みはtwitter的であると思うのと同時に、内部的なシステムを大きく変えることなく両社の提携を実現するための妥協点にも思えます。いわゆる、キュレーションECと呼ばれるfancyやsumallyと比較すると、無理やり感は否めません。
また既存のtwitterの仕組みにamazonの連携が乗っかっているため、非公開アカウントでは使えないようです。また同時に商品の購入意思を全体公開していることも意味します。
4.決済をAmazonに委譲
twitterというプラットフォームが万人受けしないこと。twitterユーザーの年齢層が若年層が多いこと。一人の人が複数のアカウントを持っていたり、スパムやbotアカウントも多いこと。twitterの都合で勝手にアカウントが凍結すること。
このような理由もあり、twitterが単体としてECのプラットフォームとして機能することは不可能で、もはやtwitter自身が手の付けられないサービスに成長してしまっている感があります。
そういった意味で、Amazonに決済を委譲した「カートに追加止まり」という中途半端なECがちょうどいい落しどころであり、ユーザーにとっても安心できる方式なのかもしれません。
この#AmazonCartは現時点ではアメリカとイギリスの限定機能であり、日本での導入は今のことろ未定のようです。
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