日本語ドメインの効果と、はてなブックマークの反応
そんなに遠くない過去の話、googleの検索エンジンに上位表示させるためのSEOのテクニックとして、日本語ドメイン、あるいは、日本語URLという手法が流布していた。
日本語ドメインの効果
日本語ドメインとは「http://日本語.com」のように、ドメイン名自体に漢字やひらがななどが含まれたドメインのことで、このような日本語ドメインは、アフィリエイト手法のノウハウを伝えるの情報商材の中でも広く紹介されていた。
そのため、「レーシック 横浜」とか「ダイエット サプリ」「出会い SNS」などのような健康・出会い・儲ける系の商材単価の高いキーワードが入力された時に上位表示するための手法として利用されており、実際これらのワードを入力すると、1ページ目に日本語ドメインのサイトがよくヒットする。
日本語URLとは「http://nihongo.com/日本語」のようなURLのパスの一部に日本語が含まれたもので、そのようなURLパターンを持った成功例としては、よくwikipediaが挙げられる。
googleの検索エンジンがどんどんと賢くなっていく中、このような手法がいつまで有効なのかは分からないが、現在でもこの手法は有効なようで、「日本語ドメイン SEO」とグーグルで検索すると、2013年、2014年の直近に書かれた記事の中にも、成功例やメリット&デメリットなどの例がたくさん出てくる。
googleの目指すべきものが、キーワードを入力した読者に適切なコンテンツを返すことであり、googleとしては質の高い専門性のあるサイトのコンテンツを表示したいだろう。その一方で、ドメインは1サイトに1つしか持たせられないため、当然最もそのサイトが主張したいことをドメインに持ってくることを考えれば、専門性の担保としてドメイン名を加味してランク付けをするというのは、筋が通っているとも思える。
2013年に「マレーシアブログ.com」というドメインを取得して、情報発信サイトを作ろうと思ったことがあったのだが、結局のところ何もコンテンツのないサイトだったにも関わらず、作った当初は、「マレーシア ブログ」というワードで2ページ目くらいには表示されていた。
これはキーワードのペアに競合が少なく、2ページ目も大した結果ではないかもしれないが、コンテンツが空だったのにもかかわらず表示されていたということは、ドメイン名の「マレーシアブログ」という文字列情報が評価されていたことになる。
サイトの内容が空なので、当然、時間の経過とともに表示される順位は下落し、現在は、ホストしていたロリポップサーバーにお金を払っていないので403になっているが、新規に取得したドメインがgoogleの信頼を勝ち取るのに一定の時間を要するエイジングフィルタという言葉もある中、なかなか効果があったのでは?と思っていた。
嫌われる日本語ドメイン
Gunosyが以下のタイトルのエントリーを運んできた。
「箱根のレストランが取得した、独自ドメインが秀逸だと思った話。レストランだからといって、店名でドメインを取る必要性はないのですね。」
箱根で飲食店を経営するお店が、「箱根 ランチ」というキーワードで上位表示させるために、「http://箱根ランチ.com」というドメインを取得しサイト運営しているという話で、日本語ドメインの効果とユーザー目線のドメイン選定が秀逸、という内容だった。確かにその通りなのではあるが、はてなブックマークの反応は厳しいものだったようだ。はてブコメントの話を集約すると、
・8番目の表示位置ってそんなに高くない。
・「箱根 ランチ」というキーワードペアは難易度が低いだけ。
・日本語ドメインを見た時点でサテライトに見えてしまう。
・Googleの意図ではない。
といった意見。
個人的には、箱根に旅行に来たユーザーがお昼の時間帯に「箱根 ランチ」と検索する姿は想像できるし、その中で1ページ目の表示なのだから評価に値すると思う。しかし、旅行中のユーザーは「普段来ない場所だから外したくない」という思いが強く、飲食店選びに慎重になると思うので、検索するユーザー層であれば「箱根 ランチ」とgoogleで検索すると同時に、食べログなどのユーザー指標の入ったサイトも照らし合わせて入る店を決めていると思う。
なので、集客という点で言うと、広い集客ワードでの飲食店の自サイトが上位表示されることにそれほどまで集客効果はなく、それよりも、SNSで拡散されるようなお店側の仕組みの構築や、食べログなどでの評価だったり、あるいは、個人ブログによりお店の紹介の方が影響力が出るような気がする。
もう一つ特徴的だったのは、ネットネイティブ層には日本語ドメインを毛嫌いする人が結構いるということ。たぶんいくつか理由があるのだけれど、大分すると以下の2つ。
1.冒頭のアフィリエイトサイトが、日本語ドメインを使用している。
2・共有の時代において、日本語ドメイン・日本語URLは扱いづらい。
(前者の場合、日本語ドメインが「xn--」で始まるPunycode表記と分散する。後者の場合、日本語URLがURLエンコードされて見た目最悪。拡散する気力落ちる。入力もしずらい。)
現在の、日本語ドメインのこのようなメリット・デメリットの背景の中で、自分としての結論は、メリットよりもデメリットの方が大きいと思っている。なので、もう2度と「マレーシアブログ.com」みたいな日本語ドメインは取らない。
しかし、日本語ドメインを利用したくない一番の理由は、結局のところドメインの見た目が「かっこよくない」から、だったりする。
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